今回は主に用語の解説となります。
この記事の目次
第二領域思考とは?
「第二領域思考」というのは、『7つの習慣』という本に出てくる考え方です。
なお、『7つの習慣』は自己啓発に分類される本で、世の中で成功するために必要な考え方を説いた本です。
『7つの習慣』という本の名前は、自己啓発本を読んだことがある人、あるいはビジネス本に詳しい人、サラリーマンの人でビジネス雑誌を読んだりする機会がある人なら、1度は聞いたことがあるかと思います。
ところが、中身を読んだことがある人は少なく、さらに、理解するまで何度も読み込んだという人はほとんどいないかと思われます(1回読んだだけでわかるような内容の本ではありません)
なお、この本はかなり特殊な本だとも言えます。
と言うのも、この本は倫理や道徳を説きつつ、さらに人生における成功についてまでを目指している本であり、一種の宗教的な考え方に近い領域を扱っているからです。
いわば、「メタ」の領域に達するための修行、とも言えます。
(メタとは「超越した」「高次の」という意味)
宗教的な世界について考えると想像しやすいかもしれませんが、宗教的に高いレベルに達しようとする場合、自分自身をよりメタの(高次の)領域に近づけるように努力することが必要となります。
『7つの習慣』についても、同じことが言えます。
何十回も読んで、考え方を体に染み込ませるくらいでないと、この本の『習慣』は血肉となって身につくことはありません。
第二領域とは何か
この本の中で、時間の使い方を4つの領域に分類する考え方が出てきます。
重要度を縦軸に、緊急度を横軸にして4つの領域に分類すると、時間について分類が可能で、それぞれの領域のうちどこに力を注ぐべきかがわかる、というものです。
第一領域 緊急 かつ 重要
第二領域 緊急でない かつ 重要
第三領域 緊急 かつ 重要でない
第四領域 緊急でない かつ 重要でない
第一領域は、時間が迫った締め切りがあり、しかも、対応しないわけにはいかないことになります(病気、災害、クレーム対応、突然のトラブル)
第二領域は、やらなくてもすぐに困ることがないけれども重要なもので、あらゆる意味での投資にあたるものです(健康、人的関係、勉強、自己啓発、投資)
第三領域は、対応しないわけにいかないけれども、本来重要ではないことであり、それをやることにあまり意味がないことです(雑用、無駄な接待、突然の来客、妨害)
第四領域は、重要ではない、やらなくてもよい無駄なことです(待ち時間、暇つぶし、無駄なネットサーフィンやテレビ、その他意味のない行動)
この考え方は、時間管理について述べたものではありますが、そこからさらに生き方についても応用できるものです。
自分の生活をこの4つに分類してみれば、やるべきこと、やっておいた方がいいこと、やらなくても良さそうなこと、明らかにやらなくていいことを知ることができます。
戦略
限られた時間をうまく使うためには、やる必要のないことを減らすことが大事です。
第三領域、第四領域に当たる部分に使う時間はなるべく無くすか減らせるだけ減らし、第一領域、第二領域に使う時間を増やすことが大事です。
ここで、第二領域の割合を多くすることがポイントになります。
なお、第一領域の場合、それをやらなければ身の危険がある、という差し迫った状況にあるからこそ取り組まねばならないわけであり、そうなる前にその事態を避けるための対策を取ることができれば、第一領域に使う時間を減らしていくことが可能となります。
第二領域に当たることに取り組む時間を増やすことができれば、自分自身の能力が向上したり、あるいはお金を稼ぐ能力を高くすることが可能になり、健康や精神や経済的な面で、何もしていない状態よりも豊かになれます。
人生において、時間の使い方のみならず、自分の人生の助けとなってくれる第二領域をいかに増やすことができるかが、豊かに生きられるかどうかのカギとなります。
FIREとは?
FIREとは、ある程度働いて貯蓄を作ったら早期に退職し、自由な時間と経済的な安定を手に入れて残りの人生は自分のやりたいことをする、という考え方です。
この考え方の背景として、インターネットで金融のやりとりができるようになったことが大きいかと思います。
世界中、どこにいても自分の資産状況をチェックでき、売り買いの指示を出すこともできます。
若いうちから資産運用を行って投資元本を大きくしていき、そこから生まれる利息で生活できるようになるまで質素倹約に励む生き方、それがFIREです。
FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド
第二領域を強化すると何が起きるのか?
第二領域を強化すると、それが自分を助けてくれるようになります。
例えば、
- 投資がうまくいって毎月数万円のお金が何もしなくても得られる
- 不動産を所有していて毎月家賃収入がある
- 教育やトレーニングの結果、困難に立ち向かえる力を得た
などです。
「すぐに行う必要はないが重要なもの」の割合を増やしていくことにより、自分の人生をより楽に生きることができるようになります。
FIREはどうすれば達成できるか?
FIREの状態が達成できれば、それ以後は生きるために自分がしたくないことをしなくても済む場面が増えます(例えば、嫌な仕事をしなくても良い、など)
その状態になるには、それ相応の投資元本が必要になります。
毎年の生活費が240万円(月20万円)という人の場合、
2400000 = 投資元本 × 利率
という計算で出すことができますよね?
利率が3%になる金融商品を持っているならば、投資元本は8000万円必要
利率が5%になる金融商品を持っているならば、投資元本は4800万円必要
なので、完全なFIREの状態を達成したいのなら、少なくとも4800万円程度のお金を貯めるなり儲けるなりして持っていることが必要となります。
また、完全にFIREの状態にならなくても、その半分の規模で我慢する、という選択もありえます。
そうすれば、半年働いて半年休んでいても生きていくことができます。
この場合は最低でも2400万円が必要です。
そんなの不可能だ、という人へ
確かに金額だけをみると「そんなの不可能だ」と思いますよね?
ここで、安定した収入がある人の場合、毎月の出費を削って5万円をFIRE向けに貯蓄できれば、4800万円に到達するまでに960ヶ月かかりますので、確かにこれだけの金額ではFIREは達成できないことになります(頑張って月10万円貯蓄しても480ヶ月かかります)
いきなりFIREを達成することが無理だとわかったら、もっと収入が増える手立てを打つなどの対策が必要になってきます。
(例えば、自分で商売を始めて月収をいまの倍にする、などです)
まとめ これからを生きる人へ
将来の日本は、現在よりも過酷な状態になることが予想されます。
これからの世界を生きる若い人たちは、自分で生き抜くためにもぜひ投資という考え方を身につけてほしい、と願います。
その中で、第二領域思考やFIREという考え方がある、ということも覚えておくと損はないかと思います。
【参考文献】
-
-
04 日本のこれから
(この記事は、私が以前に書いた記事を転載しています) 投資の教室 investmentclas1’s diary & information 「人口構成比から見た将来の日本」 https:// ...
続きを見る